梨をジャムにするって意外と難しい件。
どんな形であれ、私の所にやって来たフルーツは
その形を変え、さらに美味しく、かつ保存がきくように加工する。
それが焼き菓子職人のプライド。
※ジャム全然焼き菓子ちゃうで。
※むしろ関係無い。
※いやでもほらスコーンとかにつけたら美味しいし、『甘いもの』っていうくくりで見逃して。
※くくりの幅広過ぎ説。
今回は、梨がやって来ました。
“新興梨”という品種で、通常の梨より少し大きめ
シャキシャキした食感に、甘さと柔らかい酸味が特徴。
※ググったよ。↑
※作ってから調べて「へー。」ってなったよ。
そのまま食べてももちろん美味しい。
※もう「美味すぃ。」の域。
※どこの領域。↑
駄菓子菓子!
梨はジャム化するにはちょっと難しいフルーツなのです。
そもそもジャムとは、甘味の他に香りや色が重要視されます。
特に“香り”のとこ。
ほとんどのフルーツジャムは、香りで食べていると言っても過言ではありません。
※いちご、ブルーベリー、オレンジマーマレード等定番のジャムは大体香りが強いもの。
その点、梨は甘味が強いものの、香りが弱く色も薄い。
※梨ってどんな香り?って聞かれるとムズいよね。
※んー。梨臭。って答えるしかないよね。
そこをどうアレンジして加工するのか?
それがジャム職人の腕の見せ所。
※いつからジャム職人になったんや。
※アンパンマンの新しいキャラクター『ジャムおばさん』か。
※バタ子さんの叔母。
※いやジャムおじさん関係ないんかい。
プロの技を、とくとご覧あれ。
※とはいえ簡単です。
※ご家庭で普通にできます。
※ご家庭でできたらプロちゃいますやん。
梨ジャムの作り方。
材料 140ml瓶 約5本分
- 梨・・・1kg(今回は大きめの新興梨2.5個使用)
- グラニュー糖・・・500g(1日目:250g、2日目:250g)
- ペクチン・・・5g
- レモン果汁・・・大さじ1
- 洋梨のお酒・・・大さじ2
はい。もうバレてますね。
要は足りない香りをフルーツのお酒で足しています。
香りの弱いフルーツをジャムにする場合、キルシュやスパイス等で香りのアクセントをつける事が多いです。
では工程へ。↓
【手順】
➀梨は皮をむいて8等分し、芯の部分を切り取って3mm程度にスライスします。
※真ん中の幅が広いところはさらに縦半分にカット。したりしなかったり。
※それは自分のさじ加減。
※そこは自己判断で。
変色を防ぐため素早く切ろう。
※丁寧かつ迅速に。
➁全てカットできたら鍋に移し、グラニュー糖250gを投入。
弱めの中火にかけ、砂糖が溶けて水分が出るまで混ぜ続ける。
※コツ:そんな自分を応援する。
③水分が出て来たら少し火を弱めて、梨がふっくらするまで煮る。
※混ぜ続けなくていいけど時々様子は見てあげて。
※遠くでいいから見守ってあげて。
④梨が柔らかく水分を含んでふっくらしたら火からおろし、ボウルにあけて粗熱を取る。
⑤ジャム(仮)の表面に、変色を防ぐためのレモン果汁を広げ、表面に空気が触れないようぴったりラップする。
※『レモン果汁を広げる』ってどういう状態。
※最終気持ちの問題。
この状態で冷蔵庫で一晩寝かせる。
⑥二日目。ボウルの梨ジャム(仮)を鍋に戻し、グラニュー糖とペクチンを混ぜたものを投入する。
※ペクチンはダマになりやすいので事前にグラニュー糖と混ぜて大きな塊は潰しておく。
※ちなみに『ペクチン』って聞くと製菓材料っぽくてハードル高く感じるかもしれんけど普通にスーパーに売ってる気さくな子やで。
⑦永遠に混ぜ続ける。
※要BGM。
※さもなくば廃人と化す。
⑧水分が多いためなかなかトロみがつきませんが、冷えるとトロみがつくので心配ご無用。
トロみがついてきたかな?ぐらいでラフランスのお酒を投入する。
⑨1分ほど煮込んだら火を止め、熱いうちに煮沸消毒した瓶にパンパンに詰め、しっかり蓋をして逆さまにして冷ます。
※出来る限り空気を入れないように。
※この条件で保存すると約半年は日持ちします。
※↑開封前の場合。開封後は早めに食べ切ってね。
かなり甘味が強いので、シロップはあまり入れず果肉を主に詰めるようにしてください。
※余ったシロップは炭酸水で割ったり、お砂糖代わりに紅茶に入れたりすると美味しいよ。
甘味が強いので(再)プレーンヨーグルトなんかのトッピングにすると、とっても美味しいです。
シャキシャキした食感は残るので、やっぱりプレーンヨーグルトが相性抜群。
※すんごいプレーンヨーグルト推すやん。
アレンジ次第でどんなフルーツもジャムにできる。
香りが弱いフルーツや甘味の少ないジャムにし辛いフルーツでも
アレンジ次第で美味しくジャム化する事ができます。
お好みのアレンジを追求して、スパイスや洋酒の配合を変えたり、他のフルーツとブレンドして作るのも楽しい。
※どんなフルーツをブレンドするかのセンスが腕の見せ所。
逆に、皮の厚い柑橘系等は、皮の苦味を取って引き算で味を組み立てる。
※味の嫌な要素を取り除いてジャム化する。
※さっきから普通に『ジャム化』って言うてるけどそんな日本語無いで。
スーパーでフルーツを見かけた時、自分だったらどんな風にジャム化するか・・・?
そんな事を考え出したら、それは立派なジャマーです。
※こないだは『コンフィチューラー』て言うてたよ。
ぜひフルーツの食べ方として“ジャムにしてみる”を加えてみてください。
※大量にもらった時とか。
追及すると本当に面白いです。ジャムの世界。
「私は密かにこんなフルーツをジャム化して楽しんでいます。」というジャムがあれば
ぜひ教えてください。
※さぁ、恥ずかしがらずに。