お菓子の生地ってなんで寝かせるの?問題。
私のレシピの工程に頻繁に出てくる『(生地を)一晩寝かせる』のやつ。
※「出た。」って言われるやつ。
※別名:今日言うて今日食べられへんシリーズ。
でも、どうしても今日中に食べたいから、そこははしょってしまおう。
と抜けがけした事はありませんか?
※見られてますよ。それ。
※↑誰に。
そもそも、寝かせた生地と寝かせなかった生地って、どう仕上がりに影響するのでしょう?
Google先生によると、生地を寝かせる理由としては、『グルテンを落ち着かせるため』との事。
※先生、私自身は落ち着いていますが、『グルテンを落ち着かせる』の意味はわかりません。
お菓子特有のふわふわ・サクサク・ホロホロといった食感に影響するのが『グルテン』。
グルテン量が多い、あるいはグルテンが張り切って働くと、粘り気や弾力が強くなります。
※例えるならパンに近い感じ。
※パンほどではないにしろ。
※パン寄りの何か。
すると、先程のふわふわ・サクサク・ホロホロみたいな今にも崩れそうな食感から
※ハートのガラス的な。
※それを言うならガラスのハート。な。
※↑天然で間違えたで。
少し強めの食感となり、お菓子特有の繊細な食感からちょっとズレてしまうんですね。
※どちらかというと“もっちり”とか“パリっと”寄りになる。
結構しっかり説明しましたが、百聞は一見に如かず。
※説明の意味。
結局美味しいのはどちらか?本当に寝かせる意味があるのか?
※疑心暗鬼が過ぎるぞ。
検証してみたいと思います。
寝かせた生地と寝かせてない生地を比べてみた。
独断と偏見で、断面で違いがわかりやすそうなマドレーヌで検証してみました。
※独断と偏見はそこじゃない。
左が生地を作って30分程度ですぐ焼いたマドレーヌ。
右が一晩寝かせてから焼成したマドレーヌ。
違いがわかりますか?
私にはわかりません。
※ですよね。
ひっくり返しておへそを確認したところ、若干ですが、右の寝かせたマドレーヌの方がふくらんでいます。
※それより左から何かに吸われるような膨らみ方が気になって仕方ない。
この角度から見るとわかりやすい。
※なら最初からこの角度で来てほしかった。
※そしておへそが左向きなのがなんだか可愛く見えてきた時。w
この“ふくらみ”もグルテンの影響で、イメージで言うと粘り気や弾力が強い(グルテンが多い)=生地の伸びが悪くなって膨らみにくくなる
みたいな事。
でも、ここまでは「比べれば・・・そうかな。」ぐらい。
駄菓子菓子!食べた時の食感にその明らかな差は現れた!
※ナレーションダサ。
バターが回ってしっとりした翌日、食感の違いを調べるべく一口ずつ食べてみたところ
寝かせた生地はしっとりふわふわ。寝かせていない生地はしっとりしてるけどぎっしり締まった感じ。
※ここまでは「でも、ぎっしりも悪くはないよね。」ぐらい。
※お好みでぎっしり派もいますしね。
※どちらも美味しい。
※だって私のレシピだもの。
※↑一回黙ろう。
寝かせた生地は、ふわふわのまま口の中で溶け広がる感じ。
※最後まで繊細。
寝かせていない方は、お口の中でモロモロ崩れる感じ。
※もっと雑に言うなら“ザラザラ”した食感。
つまり、くち溶けが明らかに違いました。
※メルティーキッスには負けるけど。
※↑大好き過ぎる。
寝かせる生地と寝かせない生地、その明らかな差は“くち溶け”にあったのです。
寝かせた生地と寝かせない生地 まとめ。
今まで生地を寝かせる事を、面倒とも思わず当たり前だと思って何も考えずにやってきましたが
※少しは考えよう。
この検証実験でその違いがわかり、やっぱり寝かせた方が正解☆
という事がわかりました。
※使われたマドレーヌはスタッフが美味しくいただきました。
※↑コンプライアンス的な。
※ちなみにスタッフは私一人です。
今回はマドレーヌで実験しましたが、クッキー等も同じ原理で、サクサク・ホロホロ食感が生まれるものと思われます。
これに懲りたら、寝かせる工程をはしょらず、プロ級の繊細な食感のために
ぜひ一晩寝かせる事をおすすめします。
※「これに懲りたら」のとこ何でちょっとキレてるん。
追伸、型はやっぱり松永製作所。