コーティングチョコって?

製菓材料店やレシピを見ていて、『コーティングチョコレート』という商品を見た事はありませんか?
※「ないです。」という方は、そっと画面を閉じて2秒後にまた開いてください。
※意味は特に無いです。↑
※ちなみに別名『パータグラッセ』とも言います。
※もっと見た事ない。
コーティング(上掛け)専用のチョコレートなのですが、普通のチョコレートとどう違うの?
※チョコレートなんてどれも冷えたら固まってコーティングされるんと違いますのん?
何で専用があるのん?
※今日は関西色強めの回。か。
という疑問に、検証とともにお答えします。
※聞かれてもないのに答えるタイプのやつ。
テンパリングなしで使えるチョコレート。
ケーキ屋さんで売られているケーキや焼き菓子にかけられたチョコレートや、オシャンに飾られたチョコ細工を見かけると思います。
※オシャン=オシャレ。
※↑絶対流行れへんからやめとけ。
あのチョコレート、実は『テンパリング(温度調整)』という特別な技術で作られており
通常のチョコレートを溶かして固めただけでは出ないツヤが出たり、くち溶けが良くなるように加工されています。
※温めて溶かして冷ましてまた温めて・・・。みたいな繊細な作業。
※吉田ヒロの「開けて~閉めて~開けて~閉めて~開けて~閉めたら入れな~い!のギャグとはワケが違う。
※↑そもそも土俵が違う。
駄菓子菓子!ちょっと飾りにコーティングするだけなのに、そこまでできません。
※気持ちはあるねんけど。ね。
そこで登場したのが『コーティングチョコレート』。
難しいテンパリングの技術無しに、扱いやすく、見た目もキレイなチョコデコレーションができるのです。
普通のチョコレートとコーティングチョコレートの違い。
実際の違いを見てみましょう。

当店ご自慢のブール・ド・ネージュクッキーに上掛けしてみました。
※本人もまさかチョコレートをかけられるとは思ってもなかったでしょう。
※驚かせてごめんね。
左が普通のスイートチョコレート、右がコーティングチョコレート。


※マットなツヤ感。
同じ条件で湯せんにかけて溶かしてクッキーにくぐらせ、5分ほど常温に置いておいた状態です。
※普通に湯せんで溶かすだけ。
あれ?左(普通のチョコレート)の方がツヤ出てない?
と思われるかもしれませんが、ツヤツヤなのは、まだ固まっていないから。
※どろんどろんの状態。
※なんなら溶かした時より溶けてる。
※↑何言うてるんか全くわからん。
に対し、右(コーティングチョコレート)はしっかり固まって、台紙からペロっとキレイに剥がれてくれます。
でも、普通のチョコレートもこのまま冷ますか、冷蔵庫に入れれば固まるでしょ?
というコーティングチョコレートに対してまだまだ懐疑的な皆さんへ
※アンチコーティングチョコレート。か。
冷蔵庫で冷やした後の普通のチョコレートがコチラ。↓

大事なところで写真がぼやけるポンコツさはさておき、コーティングチョコレートと同じように固まったものの
左(普通のチョコレート)の方が白っぽくくすんでいるのがわかります。
※そしてザラっとしているというかツルっとはしていない。
※写真ボケてるからわからんけどな。
この『くすみ』が食べた時のくち溶けや滑らかさに影響し、食感に違いが出ます。
つまり、コーティングチョコレートは素早く固まり、なおかつ美しく、くち溶けも滑らかに仕上げてくれるチョコレート界の仕上げの王様なのです。
※スゴいけどニッチ。
コーティングチョコレートの使い道色々。
このコーティングチョコレート大王により、クッキーの上掛けや飾り
※ラングドシャとかにかかってるシャシャシャっ。みたいなやつとか。
※誰がわかるんそれ。↑
ケーキのチョコレートコーティング
※しずる感的な。
ちょっと飾りたいだけのチョコレート細工
※ケーキの上にクルクルクルって乗ってるやつとか。
※それはわかるやろ。多分。
トリュフの仕上げなどが、特別な技術無しに簡単にできるのです。

写真のように、ホワイトもあれば、ピンク(いちごフレーバー)もあるので
お菓子によって使い分ければ、幅広いデコレーションが楽しめます。
ただし!ひとつ注意点があります。
※残念なお知らせです。
この、完璧と思われたコーティングチョコレートですが
※『王様』言うてたやん。
コーティングチョコレートの上からパウダー状のものをかけると
はじきます。
※他の追随を許さない王。
美味しそう。という理由だけで、ココアパウダーをまぶしてみました。↓



え?地球儀ですか?地球儀風デコレーションですか?
※アースデコ?
とイジりたくなるほどパウダーをはじき、ムラムラになってしまいます。
※地球儀デコレーション希望の場合はこれで良し。
※ただし振り払うとパウダーはどのみち落ちます。
この場合は、普通のチョコレートが正解。
コーティングチョコレートは、あくまで最後の最後の仕上げに使うものと覚えておきましょう。
使ってみよう!コーティングチョコレート。
最終的に、ちょっとしたデコレーションにはコーティングチョコレートが超便利です。
溶かすだけで使えるし、見た目キレイだし、少量で使えるし。
※神かよ。
※いや『王』やろ。
このちょっとしたデコレーションの差でプロ感が増す。
特に私のような焼き菓子専門職人にとって、生クリームじゃないデコレーションはどうしても地味になりがちなので、華やかさをプラスしたい時に重宝します。
※別名:お菓子界の煮物。
普通のチョコレートとの違いを知って、簡単な使い方を覚えたら、色んなチョコデコを調べて
※検索『チョコレート デコレーション』でアイデアめっちゃ出て来るよ。
ぜひ取り入れてみてください。
私はcotta ←の『パータグラッセ』を使ってます。
少量使いならコレも便利。↓