ベーキングパウダーの代用代表「重曹」とは。
スーパーの製菓材料コーナーに並んでいる「重曹」。
※洋名:ベーキングソーダ。
あれ、使った事ありますか?
※「お掃除になら使った事ありま〜す☆」ってお返事は、今度あらためて聞きますね。
※そっちの重曹の話も嫌いじゃないで。
そもそも何に使うん?ですよね。
ベーキングパウダーの代用品としては有名ですが、ベーキングパウダーが無いのに重曹があることの方が少ないと思うのは私だけでしょうか。
※あるいはベーキングパウダー切れたからって重曹買いに行くんやったらベーキングパウダー買ったらええやん。てならん?
私はそのまま重曹としてパウンドケーキなどにも時々使いますが、どら焼きやカステラのような和菓子に使うイメージが強いのでは?
※その前に重曹をイメージした事がない率97%。やろ。
そんな重曹の特徴としては
・仕上がりが黄色くなる(どら焼き等では焼き色が濃くなる)
・チョコレートやココアが入っている生地に使うと、茶色に深みが出る
・生地を寝かせても炭酸ガスが発生しないので、寝かせた生地でもしっかり膨らむ
・独特の香りと塩味があるので、素朴なお菓子や和菓子に向いている
等など。
ただし、量を間違えると特有の“苦味”が出るので要注意。
とはいえ、あんまりないですよね。重曹を使うお菓子のレシピ。
なぜなら、お菓子作りに使う膨張剤には、我らが「ベーキングパウダー」という最強ふくらし粉が存在するから。
※ベーキングパウダーを「ふくらし粉」と表現すると何故か落ち着く昭和の心。
ほな、なんで重曹があるのん!?
重曹が製菓材料コーナーのベーキングパウダーの横に並んでる理由は何なん!?
という方に向けて、今日はその違いを解説いたします。
※解説するから落ち着いて。
※とりあえず深呼吸して。
※重曹ってそんな重要じゃないから大丈夫よ。
※↑「重曹」と「重要」使いたかっただけやろ。
お菓子作りにおける「重曹」と「ベーキングパウダー」の違い。
まずは原料の違いから。
重曹: 炭酸水素ナトリウム
ベーキングパウダー:炭酸水素ナトリウム・賛成ピロリン酸性ナトリウム・d-酒石酸水素カリウム・ステアリン酸カルシウム・コーンスターチ
※アカン。「ピロリン」が気になって後の単語なにも入って来えへん。
要は、ベーキングパウダーの原型は重曹で、重曹にその他の成分を加えてさらに使いやすく改良したものが、ベーキングパウダー。
※改良に一役買った「ピロリン」。
ベーキングパウダーは、重曹の「苦味」や「変色」をカヴァーして、お菓子作りに使いやすいようにしてくれてるんですね。
※ありがとう。ピロリン。
※d-酒石酸水素カリウムも頑張ってるで。
※↑早口言葉なん?
ほな!ほな!重曹は何のためにあるんや!
重曹のウィークポイントを全てカヴァーしてくれるベーキングパウダーがあるなら、重曹なんて必要無いじゃない!
※その前に「カヴァー」のとこさっきからめっさ気になる。
と思うなかれ。
こんな時、重曹が役立つ5選をご紹介します。
1. どら焼き等、焦がさずしっかり茶色くしたい時
2. カステラ等、生地を黄色く仕上げたい時
3. 柑橘類などのフルーツの皮のワックスを取りたい時
※重曹を溶かした水にフルーツを1分程度浸すとワックスが剥がれるよ。
4. あんこを作る時
※豆の皮が破れにくくなるよ。
5. 蒸しパンやお饅頭など、横に膨らませたいお菓子の時
※ベーキングパウダーは縦に、重曹は横に膨らむよ。
トータルすると、そんな事は稀。な時です。
※ゴメンて。
対してベーキングパウダーは
1. 色も香りも変えずに縦に膨らませたい時
以上。
※お菓子作りにおいてはその機能が必要な場合がほとんど説。
だから、稀な場合を除き、ベーキングパウダーがあればひとまず安泰。と覚えておこう。
重曹とベーキングパウダーは代用しない方が無難。
※「用」と「よう」のとこ。
※↑今晩ぐっすり眠れそうな程の達成感。
じゃあ重曹なくてもええかなー。
って思いがちじゃないですか。
どっこい、重曹ってめっちゃ安いんです。
※↑「どっこい」ってリアルで使う人初めて見た。
スーパーで70円前後で売ってます。
※箱入りで、しかも2袋に分かれて入ってる。
※箱と袋で60円ぐらい消費してそう。
だから、稀に重曹が必要な場面に遭遇したら、ケチって省略せず買ってください。
※せめて買ってあげてよ。
賞味期限も長いし、期限内に2〜3回は使えると思うので。
※ものすごくフワッとした見積もり。↑
ちなみに以前、重曹を使うケーキで、手持ちの重曹がなくて代わりにベーキングパウダーを使ったら、うまく膨らみませんでした。
※稀中の稀なパターンで失敗した時。
レシピに「重曹」と書いてある場合は、おとなしく重曹を使いましょう。
※ベーキングパウダーじゃなくて「重曹」って書かれてあるのには意味があるのだから。
※はい。すいませんでした。
もちろん、ベーキングパウダーの代わりに重曹を使うのも、お菓子の仕上がりがレシピと同じにはならないので、やめておきましょう。
※おとなしく買いに行こう。
重曹とベーキングパウダーは、その違いを知って、それぞれ適切に使うのがベスト。
と言ったからには、具体的にそれぞれを同じ焼き菓子に使うどう違ってくるのか?を、詳しく調べました。
「重曹」と「ベーキングパウダー」を使って作ったミニパウンドケーキで比較してみた。
違いはお得意の「ミニパウンドケーキ」で比較。
※デカいと消費するの大変なんよ。
その他の材料は全く同じ。焼成温度と焼成時間も全く同じ。
※てゆーか同時に焼いた。
ただし、メーカーさんのHPによれば、それぞれ指定の配合があるようなので、それに従って
重曹は薄力粉の1〜1.5%
ベーキングパウダーは薄力粉の2〜2.5%
で配合しています。
※実際配合したのは重曹0.7g、ベーキングパウダー1.1g
※細か過ぎて気ぃ狂いかけた。↑
まずは表面から。↓
※BS=ベーキングソーダ(重曹)。BP=ベーキングパウダー。
※そして画像に名前を貼り付けておくと便利な事に気づいた時。
重曹の割れ目が斬新。
ベーキングパウダーの割れ目はいつ何時でも安定して綺麗です。
※割れ目優等生。か。
重曹の説明にあった「焦がさずしっかり茶色くしたい時」の通り、重曹の方が焼き色が濃い。
※これが・・・濃い?
※↑「恋」みたいに言う。
とはいえ、“比べてみると”レベルで、決して「焦げ」ている様子はありません。
次に高さを見てみましょう。↓
型にくっついて高さが出た分については、若干ベーキングパウダーの方が高いのですが、全体的な高さは重曹の方が出ています。
※そしてやっぱり、濃い。
というか、重曹の山形に膨らむ「ツーン!」感がスゴい。
重曹の説明では「重曹を使って焼くと横に膨らむ」でしたよね?
※って聞かれても。
が、おそらく横に膨らもうとしたけど(型に阻まれて)膨らめなかった分が縦に回ったと思われます。
※名探偵、重曹くん。
からの、カットして断面を見てみましょう。↓
重曹の「ツーン!」型が気になって他の情報が入ってきませんが、断面の気泡は重曹の方が大きく見えます。
つまり、重曹の方がキメが粗い。
そして、画像では伝わらない程度にですが、重曹の生地は中の色も少し濃い。
※やっぱり・・・濃い。
※↑何がそんなに気に入ったんそのくだり。
では、食べてみましょう。
ひとくちずつ試食してみたところ
重曹
しっとりとした生地。
お砂糖が焦げたキャラメルのような香ばしさ。
カステラのような香りと甘味。
ベーキングパウダー
ふわふわの軽い食感。
バターの香りが際立っている。
このような違いが出ました。
ざっくりくくると、重曹は和菓子のような香りと味。
ベーキングパウダーはバターの香りが立ったTHE・洋菓子な味。と言えるでしょう。
=重曹は抹茶やほうじ茶などの和風のケーキに向いている。
ベーキングパウダーはバターの香りもしっかり出したい洋風のケーキに向いている
という結果に至りました。
ちなみに、持ち帰って家族にその違いを聞いてみたところ
「重曹の方が甘味が強い(全然違うレベルで)。」という意見も出ていました。
もしかすると、キャラメルのような甘い香りが、甘味を強く感じさせたのかもしれません。
※ちょっとだけ(ホンマかいな・・・)と心で呟きましたが。
※信じてやれよ。↑
ベーキングパウダーを重曹で代用できなくはないですが、やはり洋風のケーキにするなら重曹で代用はしない方が無難かと思います。
要は “使い分け” が大事。
※代用としてじゃなく己の勘を信じて使い分けるべし。
とはいえですよ。真の面白さはそこではなくて
※違うんかい。
それぞれわずか0.7gと1.1gの配合で、こんなに違いが出た事がスゴくない!?
とあらためて思ったのです。
※気ぃ狂いかけながらもキッチリ計って良かった。
「お菓子は化学」とよく言われますが、それを実感した実験でした。
※「実感」と「実験」でうまく〆たつもりか。
それぞれの特徴を知って、上手に使い分ける事で、初めて素材が活かされます。
それを生かすも殺すもあなた次第。
※↑何のプレッシャーかけられてんねん。
ぜひ今後のお菓子作りの参考にしてみてください。
重曹もベーキングパウダーも、まとめて買うならcotta ←がお得で便利です。
グルテンフリーのマフィンに挑戦していて思うように膨らまず・・BPではなく重曹にしてみようか悩んでいたところこちらの記事を発見致しました!なるほどと思いました〜✨気になる!と思うことをこちらで検証してくださっており、ブログ楽しみに読ませていただいております!(そして※のツッコミも好きで、面白すぎて元気が出ます😆)ありがとうございます☺️
kuropyさん😆コチラこそ、元気の出るコメントありがとうございます✨
私も作りながら「なんでなん?なぁなんでなん??」と思うようなことをいつもテーマにしているので、共感していただけてとっても嬉しいです☺️
kuropyさんのお菓子作りのお役に立てますように❤️一緒に色んなお菓子にチャレンジしましょうね!これからもご愛読、どうぞよろしくお願いいします✨
⭐︎kinako☆